アメリカの葬儀文化とは

アメリカの葬儀は土葬

アメリカ合衆国では亡骸を土葬するのが当たり前でしたし、今でもその風習は残されています。
大きな棺を土の中に降ろすニュース映像はアメリカ国家の代名詞ですし、ホラー映画でもお墓の中から死者が蘇ってくるシーンがありますが、まさに死後の肉体はミイラと化している状態です。

なぜアメリカでは、土蔵で埋葬することになったのでしょう。
それは、遺体を腐らせない「エンバーミング」という保存技術が普及していたからです。
遺体からは血液を抜き取り、防腐剤を注入することで生きていた時のままの姿で保管されます。
キリスト教の教えに「ちり(この世のもの)はもとのように土に帰り、霊(魂)はこれを授けた神に帰る」と言われている旧約聖書伝道の書12章7節の言葉があります。

この教えは、精神の宿っている魂はそれを作ってくださった神様のもとに帰り、この世に存在するために借りていた肉体は土に帰ると、まさに土葬のことを指していると言っても過言ではありません。
キリスト教の教えは理にかなっていて敬虔なクリスチャンであれば、現在でも土葬の埋葬を依頼するはずです。

しかし、神様の教えとは裏腹に余りにも現実らしい問題点があがります。
それは、遺体を自然に任せて土に帰るまで放置するには非常に長い歳月がかかるので、土地不足のうえになかなか朽ちない遺体では、土葬することが困難になりつつあります。

火葬も増えつつあるアメリカの葬儀

近年では火葬シーンも増えつつあるアメリカの葬儀事情ですが、日本のように骨壺に遺骨をつめていくという風習がありません。
なぜならば、強い火力で一気に燃えつきてしまい、骨は残らず遺灰のみとなるのです。
お墓に埋葬する際にもコンパクトにまとめられますし、海や山などにも散骨し易いようで現代の葬儀事情を一歩リードしているようです。

新聞の死亡広告は必ず目を通るのが当たり前

新聞の死亡広告で葬式の日時と場所を告知するのがアメリカ流です。
もしも知り合いが亡くなっていたら、お悔やみの言葉を書いたグリーティングカードを贈ります。
花束を添えてもいいようですが、死亡広告にお花は受け取れないと書いてあれば遠慮してください。

また、アメリカらしいのがお花などを贈ってくれる代わりに慈善事業に寄付をしてくださいと書いてあることも多いです。
葬式での服装もそれほど厳しいものではありません。
清楚であれば生地の色も拘らないのがアメリカ流です。

一連の葬儀が終了すれば、その後は会食となりますが、片手でつまめるスナック類もあれば、葬儀場の近くにあるレストランで会食することもあります。
また、自宅周辺での葬儀でしたらご近所の方たちが食べ物を持ち込むポットラックという風習もあり、会食に華を添えてくれるのです。

会食の席では、皆が笑顔になるような故人との思い出話に花を咲かせます。
悲しくても笑顔で送り出してあげるアメリカならではの葬儀です。